左官工事と外壁リフォーム 2
仏堂と経蔵で役夫が担当した同じ下塗を、僧房においては土工が行なっています。
6棟のうち最も重要な施設であったと考えられる仏堂に関し、非専門職である役夫が施工し、幾分とも格の下る僧房に専門職の土工を当てたことは一見奇異に感じられますが・・・
その矛盾は次のように考えれば理解されるでしょう。
まず仏堂は重要でありますが故に、部分的には中塗で停められるところがあったかもしれないのですが、原則として上塗までを行なう、いわゆる本格的な左官工事が適用されたのでしょう。
この場合、中塗さえ完全に施工しておけば、そこで停めるときはもちろん、後に上塗を行なう場合でも良好な最終仕上げを期待することができます。
ここで若干技術的な説明を加えておきますが、上塗厚は各時代の遺構に徴しても現行の左官工事でも、せいぜい5ミリ以内です。
現代でいう外壁リフォームのようなものですね。
・・・このように薄いものですから、仮に中塗面に不陸等があれば、それはそのまま上塗後に欠陥として露呈されます。
逆にいえば、中塗を完全に施工しておけば、上塗はおのずから良好な仕上りを期待できます。
しかも中塗は少なくとも数センチの厚さをもつから、下塗面に相当大きい不陸があっても、これをその厚さの間で吸収することが可能です。